「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり

個人的見解-社労士 個人的見解-社労士

福沢諭吉の『学問のすすめ』は
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり
と言う有名な言葉で始まります。

多くの人は
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」 と覚えているのではないでしょうか?

つまり、
「と言えり」 の存在を知らないのではないでしょうか?


おススメ図書: 福沢諭吉の教育論と女性論




福沢諭吉は単純に人は皆平等だと説いているわけではありません。

「と言えり」の後は、実は以下のような箇所があります。

学問のすすめ:
「されども今広くこの人間世界を見渡すに、
かしこき人あり、おろかなる人あり、
貧しきもあり、富めるもあり、
貴人もあり、下人もありて、
その有様、雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや」

「その次第はなはだ明らかなり。
『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。
されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。」


筆者訳:
『けれども、 現実の世界を見てみると
賢い人もいれば、愚かな人もいる。
貧乏人もいれば、金持ちもいる。
身分が高い人もいれば、下人もいる。
雲泥の差とも言える違いがある様は、どうしてできるのだろうか?』

『その理由は非常にはっきりしている。
『実語教』という本の中に、
 「人は学ばなければ、智はない。智のないものは愚かな人である」と書かれているのだ。
 そうであるから、賢い人と愚かな人との違いは、学ぶか学ばないかによってできるものなのだ。』


福沢諭吉 自身は
 天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず
とは 全く言っていません
。 


 むしろ彼は、 差別主義者です。

 慶應義塾大学の創立者で経営者だった福沢は、
大学教育は国立は廃止して、すべて私学に委ねるべきだというのが持論
でした。

 その理由がとんでもないから、面白いです。


 是非 ご一読ください。